殺人や誘拐など毎話事件が起き、その真相を科学鑑定でスカッと暴いていく「科捜研の女」(朝日系、木曜夜8時)の撮影現場には「死体作りのプロ」がいる。メイク担当者は死者や傷のメイクも担当するのだ。京都・太秦の撮影所を訪ねた。
Vシネマで学んだ
科捜研のほかに、同所で撮影中の時代劇の出演者なども、一部屋でメイクする太秦のメイク部屋。訪ねると、科捜研のメイクを担当するワシダトモキさんが迎えてくれた。ほぼ毎話、死者やケガ人が出るドラマのメイク担当者は、どのようなテクニックを持つのか。「私の手に、傷を作ってもらえませんか?」と頼むと、快く引き受けてくれた。
取り出したのは、特殊メイク用のワックス。シールのように肌につけられるもので、時間のあるときに、傷のように色をつけたものをあらかじめ作っておくという。そこから「ライニングカラー」という塗料を細い筆に取り、周りをなじませていく。
ワシダさんが科捜研に参加したのは3年前。仕事を始めたのはVシネマ全盛期で、そこで傷や血だらけメイクを学んだという。
「メイクにかかる時間は、大体1時間くらい。死に方によって毎回変わりますけれど」。よく作るのは頭部の裂傷。髪の毛をぐいっと固めて無理やり「はげ」の土台を作り、傷を作る。また、絞殺でできる索条痕(さくじょうこん)を作るときは、凶器のひもに実際に色をつけ、それを首に押し当てながら痕をつける。
何日目の傷?
一番時間がかかるのは「傷の作…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル